2012/01/07

時間の歯車


約10年振りに、従兄と再会をした。

2011年最後のBlog記事内、
「会いたい人と、会いたい時に。感じた事を、感じた時に。」という旨を書いた。
突然の別れ と 新しい出会い に多々直面した一年で、そう学び、絶対に忘れないと決めた。
年が明けて、すぐに、大きな一歩を踏み出す事にした。


私は、一人っ子だけれど、小さい頃から”一人”という認識ではなかった。
いつも優しい時間をくれて、笑顔をくれて、寄り添ってくれていた人が居たから。
母方の従兄だ。
兄のように愛していて、妹のように愛されていた。
布団で小さな家を作って遊んだり、
キャッキャキャッキャと後を追ったり、
「大人になったら、きっと、この人がお兄ちゃんになってくれるんだ」なんて、漠然と思っていた事を覚えている。

けれど、家族の事情で、疎遠になってしまった。
私が小学生、彼が大学生。
そこで一度、時間の歯車が、”ガタン”と止まった。
会いたいな、どうしているかな、と思っていながらも、なかなか行動に出れず、
サラサラと時間は流れていった。

昨年亡くした友人にも、よく彼の話をしていて、「絶対に会ったほうがいい。今、良いタイミングだと思うよ。」と、よく背中を押されていた。
”良いタイミング”の意味が、やっと、理解出来たのだ。
20歳になり、一緒にお酒を飲めるようになり、仕事というものを知り、学生時代では見えなかった部分が見えるようになり、親同士の問題とは離れて自分達で関係を築き直せる時期。それが訪れたのだと。
友人が生きている間に実行出来たら、きっと、もっと良かった。
「会って来たよ!」と直接言葉を交わせないけれど、次に花をたむける時、胸を張って伝えようと思う。


待ち合わせは、駅の改札前。
30歳を前にした彼は、スーツをパリッと着こなし、立っていた。
けれど、やわらかい笑顔は全く変わっていなくて、
ニッコリと迎えてくれた瞬間、ちょっぴり、泣きそうになった。

居酒屋さんへ移動し、乾杯を。
会えなかった10年間、一度も感じた事のなかった、特別な安堵感。
仕事のことや、恋愛のこと、家族のこと、色々な話をした。
そして、
「さおりはね、ちっちゃい頃、”大きくなったらアリになる!”って言ってたからね」なんて、衝撃的な事を聞かされたりもした。
しかし、アリとは。
ケーキ屋さん!だとか、お花屋さん!だとか、セーラームーン!だとか、
そういう大きくて可愛らしい夢は無かったのかなあ。
せめて、蝶々になって空を飛びたい!とかさ。百歩譲っても虫だけど。
他にも、「石橋貴明(とんねるず)に、ののしられたい」と言っていたのだとか。
根っからの変態だ。

楽しくて、幸せな時間を過ごした。
「定期的に会おうね」と約束をした。
「寒いね」となんでもない天候の会話さえ、嬉しかった。
台風12号・大雨の夜、真夏日の午後、色んな空を離れて見てきたけれど、今年の冬を、きちんと共有している。
本当に、本当に、会えてよかった。

時間の歯車が、”ガッコン”と動き出すのを、確かに感じた。
私は、一人ぼっちじゃなかった。


P.S
(冒頭絵は、懐かしい写真を見つけたので、スケッチをしたもの。
二人とも幸せそうだなあ。)

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